工工四
歌詞
春や花盛り 深山鶯の
匂しのでほける 声のしほらしや
訳
春は花が咲き誇り、奥山で暮らす鶯も
匂いに惹きつけられてさえずる声が愛らしい。
ほける
- 鳥のさえずり
しほらしや
- 愛らしい
解説
「早作田節」は種々の花が開花し、芳香ただよう春の季節に心浮き立つ情景を詠み込んだ歌曲です。
歌詞に登場するウグイスは別名ハルツゲドリ(春告げ鳥)と呼ばれ、美しく透き通った鳴き声で春の到来を知らせます。
華やかに咲き誇る花々とウグイスの色映えした春の光景は昔から人々の心を魅了してきました。
補足
古典舞踊、組踊
古典舞踊のカテゴリーでは「早作田節」が舞踊曲として演奏される「作田(作田節)」、「稲まづん」について解説しています。
また、「早作田節」は組踊(※1)「銘苅子」、「手水の縁」の舞踊曲として構成されています。
組踊(※1)
琉球王国時代の1718年に踊奉行(式典の際に舞台を指揮、指導する役職)の任命を受けた玉城朝薫により創始された歌舞劇です。
台詞、舞踊、音楽の三つの要素から構成された古典芸能で、1972年に国の重要無形文化財に指定され、2010年には世界のユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「作田(作田節)」 - 古典舞踊/女踊り
作田節:歌詞 誰がすもてなちやがたがすもてなちゃが 手に馴れし扇子やてぃになりしおじや 暑さ涼だましゆるあつぃさすだましゅる 頼りなとすたゆりなとぅす 訳 どなたが作ったの ...
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「稲まづん」 - 古典舞踊/女踊り
稲まづん節:歌詞 今年毛作りやくとぅしむづくいや あん美らさよかてあんちゅらさゆかて 倉に積みあまちくらにつぃんあまち 真積みしやべらまづぃんしゃびら 訳 今年の作物はみご ...
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ちらし
「早作田節」は昔節(※2)の「作田節」のちらし(※3)として演奏されます。
「作田節」- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 穂花咲き出ればふばなさちづぃりば ちりひぢもつかぬちりふぃぢんつぃかん 白ちやねやなびきしらちゃにやなびち あぶしまくらあぶし ...
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昔節(※1)の分類
ちらし(※3)
つないで演奏する終結部の楽曲。
楽曲の熱を徐々に散らしながらおさまりをもたせる構成をとります。
御供ともいいます。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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