古典音楽

「仲節」- 古典音楽

工工四

三線を再生印刷・保存

 

歌詞

 

けふのほこらしややきゆぬふくらしゃや なをにぎやなたてるなをぅにぢゃなたてぃる

つぼでをる花のつぃぶでぃをぅるはなぬ 露きやたごとつぃゆちゃたぐとぅ

 

今日の喜びは何にたとえることができましょう。

(それは)つぼんでいる花が朝露をうけて(花開く心のようです)。

ほこらしややふくらしゃや

  • よろこび = おめでたい
  • 縁起が良い事柄
  • 嬉しい

なをにぎやなたてるなをぅにぢゃなたてぃる

  • 何にたとえよう

露きやたごとつぃゆちゃたぐとぅ

  • 露に行逢うよう
  • 露をうける

 

解説

仲節なかぶし」は「かぎやで風節かじゃでぃふうぶし」と同じ琉歌でうたわれており、世の泰平たいへいに祈りを込めて演奏されます。

古くより、始めと終わりが同じであることは縁起が良いとされ、お祝いの場では「かぎやで風節かじゃでぃふうぶし」で始まり「仲節なかぶし」で締めくくる楽曲構成で演奏されることがあります。

古典音楽のなかで最も長編(1121拍子)の楽曲で演奏時間は約30分を要し、音階を跳躍ちょうやくさせる旋律せんりつ(ケーイグシ)、突吟つぃちじん(※1)の発声法や息の長さも加わり難曲とされています。

 

突吟つぃちじん(※1)

声を切り、歌詞の母音を前方に出すように喉を圧迫させておこなう発声法。

 

四角豆の花

露をうけて花ひらく

 

補足

 

逸話

本曲の演奏時間の長さを例えた話です。

~那覇からの帰途、崇元寺そうげんじ辺りからこの「仲節なかぶし」を歌い出し、鳥掘とりほりの町のはずれまでもなお歌は終わらなかった。

 

大昔節うふんかしぶし

仲節なかぶし」は古典音楽の大昔節うふんかしぶし(※1)の分類に属し、「清屋ちゅらやぶし」のチラシ(※2)につないでいきます。

 

糸芭蕉
「清屋節」- 古典音楽

工工四 三線を再生印刷・保存 【工工四について】   歌詞   あたり苧の中ごあたいをぅぬなかぐ 真白ひき晒ちましらひちさるち 里があかいず羽さとぅがあけずばに 御衣よすらねんしゅ ...

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大昔節うふんかしぶし(※1)

古典音楽の中でも古くから存在し、演奏時間、演奏技術ともに大曲である楽曲を大節うふぶしと呼び、創作された年代や曲想により、昔節んかしぶし大昔節うふんかしぶし中昔節なかんかしぶしに分類されます。

作田節ちくてんぶし」、「ぢやんな節ぢゃんなぶし」、「首里節しゅいぶし」、「しよどん節しゅどぅんぶし」、「暁節あかつぃちぶし」の五曲を総称して、昔節んかしぶしまたは前の五節めえぬいつぃふしと呼んでいます。

また、「茶屋節ちゃやぶし」、「昔蝶節んかしはびるぶし」、「長ぢやんな節ながぢゃんなぶし」、「仲節なかぶし」、「十七八節じゅうしちはちぶし」の五曲を総称して、大昔節うふんかしぶしまたは後の五節あとぅぬいつぃふしと呼びます。

 

ちらし(※2)

つないで演奏する終結部の楽曲。

楽曲の熱を徐々に散らしながらおさまりをもたせる構成をとります。

御供ともいいます。

 


 

参考文献(沖縄の本)のイメージ画像
参考文献一覧

書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...

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