工工四
歌詞
首里天ぎやなし とももとよちやうはれ
御万人のまぎり 拝ですでら
訳
首里の王様が千年も末永く世を治められ、
万人(誰もが)そろって、恩恵を受けます。
首里天ぎやなし
- 琉球王朝時代の国王の敬称
- 首里天 = 首里城の国王
- ぎやなし(加那志) = ~様といった敬称に用いる
とももと
- と = 「十」に、ももと = 「百」を掛けて、千(単位)
すでら
- (恩恵を)戴いて
解説
「長ぢやんな節」は国王の栄えある治世に末永く続く国家の泰安を礼讃して詠まれた歌曲です。
最も古い三線楽譜の『屋嘉比工工四』(※1)には「長謝武名節」の節名で収録されており、本曲と同じ琉歌で詠われます。
「ぢやんな」は「温かな」、「優しいさま」を意味する語句で、泰安の世を寿ぎ、終始、穏やかな曲想で進行していきます。
また、「長ぢやんな節」は演奏時間が長く大曲であるため、昔から心の緩みがあった状態では歌い終わることが出来ない難曲と云われています。
屋嘉比工工四(※1)
琉球音楽家の屋嘉比朝寄(1716-1775)によって編み出された記譜法により創案された現存する最も古い三線楽譜です。(117曲編纂)
補足
大昔節
「長ぢやんな節」は古典音楽の大昔節(※1)の分類に属し、「伊集早作田節」のチラシ(※2)につないでいきます。
「伊集早作田節」- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 蘭のにほひごころらんぬにをぅいぐくる 朝夕思とまれあさゆうみとぅまり いつまでも人のいちまでぃんふぃとぅぬ 飽かぬごとにあかん ...
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大昔節(※1)
ちらし(※2)
つないで演奏する終結部の楽曲。
楽曲の熱を徐々に散らしながらおさまりをもたせる構成をとります。
御供ともいいます。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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