工工四

【工工四について】
歌詞
枕ならべたる 夢のつれなさよ
月やいりさがて 冬の夜半
訳
枕を並べ情を交わした夢から覚めたときのつれないことよ。
すっかり月は西に入りかけ、冬の夜半の侘しさが募る。
いり
- 西の方角
解説
「しよどん節」は長い冬の夜を一人で過ごす侘しさをあらわした歌曲です。
いつしか愛し合った男女の温もりを残し、夢から覚めたあとのつれない心の内を詠み込んでいます。
最古の琉歌集である『琉歌百控』(※1)には原歌である「諸鈍節」が収録されており、出自が東間切之内潮殿村(現・大島郡瀬戸内町大字諸鈍)として記されています。
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
補足
原歌
「しよどん節」の発祥の地である諸鈍集落では、代々継承されてきた八月歌(※2)「諸鈍長浜」の歌碑が建てられています。
八月歌(※2)
旧暦の八月、奄美大島、加計呂麻島、喜界島、徳之島などで豊年豊作を祈願しておこなわれる伝統行事「八月踊り」で代々継承されている歌唱曲です。参考:『奄美民謡「諸鈍長浜節」の系譜』
「諸鈍長浜」
1.
諸鈍ぬ長浜に 打上ぐぃ引く波や
諸鈍みやらぶぃ(娘)ぬ 笑い歯ぐき
2.
諸鈍ぬ長浜や 大和がでぃとゆむ
諸鈍みやらぶぃや 島中とゆむ
3.
浦々ぬ深さ 諸鈍ぬ浦深さ
諸鈍みやらぶぃの うむえ(情)ぬ深さ
4.
諸鈍みやらぶぃや 雪のろぬ歯ぐき
何時が夜の暮れぃて 御口吸はな
歌詞引用:「諸鈍長浜」の歌碑より
昔節
「しよどん節」は古典音楽の昔節(※1)の分類に属し、「芋の葉節」のチラシ(※2)につないでいきます。
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「芋の葉節」- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 芋の葉の露やうんむぬふぁぬつぃゆや 真玉よかきよらさまだまゆかちゅらさ 赤糸あぐまきにあかちゅあぐまちに 貫きやりはきやりぬち ...
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昔節(※3)
ちらし(※4)
つないで演奏する終結部の楽曲。
楽曲の熱を徐々に散らしながらおさまりをもたせる構成をとります。
御供ともいいます。
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは「しよどん節」が舞踊曲として演奏される古典演目「諸屯」について解説しています。
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「醜童」 - 古典舞踊/打組踊り
シヨンダウ節:歌詞 ”シュンドー” 諸鈍長浜にしゅどぅんながはまに ”ヨウアシュンドー” 打ちやり引く波のうちゃいひくなみぬ ”ヨウアシュンドー” ”シュンドー” 諸鈍女童のしゅどぅんみ ...
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「諸屯」 - 古典舞踊/女踊り
仲間節:歌詞 思事の有てもうむくとぅぬあてぃん 与所に語られめゆすにかたらりみ 面影と連れてうむかぢとぅつぃりてぃ 忍で拝ましぬでぃおぅがま 訳 心にお慕したいすることがあ ...
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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