音楽

「仲順節」- 古典音楽

仲順節ちゅんじゅんぶし:工工四

 

仲順節の工工四

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歌詞

 

別れても互にわかりてぃんたげに 御縁あてからやぐゐんあてぃからや

糸に貫く花のいとぅにぬくはなぬ 散りてぬきゆみちりてぃぬちゅみ

 

別れることがあってもご縁があるからには、

糸で貫き通した花のように二人が離れ離れになることはないでしょう。

 

楽曲の解説

仲順節ちゅんじゅんぶし」は互いに結び合った二人が別れを惜しみ再会を願って歌われた楽曲で、古典舞踊「天川」の舞踊曲としても演奏されています。

『標音評釈琉歌全集』には14首おさめられており、それぞれの作品は別離の悲しみや恋慕を題材に表現した琉歌が中心となっています。

平敷屋朝敏へしきやちょうびん(※下記参照)によって創作された組踊(※1)「手水の縁てぃみじぬいん」の作中、愛を誓った二人が再会を約束する一場面で「仲順節ちゅんじゅんぶし」が歌われます。

 

※略歴

平敷屋朝敏へしきやちょうびん(1701-1734)
沖縄県那覇市首里金城村に生まれる。(首里士族の家系)
和文学者、和文物語作者
作品には組踊くみうどぅいの「手水の縁てぃじむぬいん」をはじめ、「若草物語わかくさものがたり」、「苔の下こけのした」、「萬歳まんざい」、「貧家記ひんかき」、他に和歌や琉歌を残す。

 

組踊「手水の縁」

花見からの帰り道に山戸やまとぅは波平玉川で髪を洗っていた美しい玉津たまつぃと出会い心惹かれます。

山戸やまとぅ玉津たまつぃの手水(愛の誓い)が欲しいと申し出ます。戸惑っていた玉津たまつぃも次第に真剣な彼の姿に惹かれるようになります。

しかし当時の社会では二人の行為はご法度(密通の罪)であり、とうとう玉津たまつぃは知念の浜で処刑されることになります。

そのことを聞きつけた山戸やまとぅは急いで浜に駆けつけ、命がけで彼女を助けようと役人に乞い願います。

最後は山戸やまとぅの心情にほだされた役人たちが二人を逃がすことにし、見事に恋が成就する物語です。

 

組踊くみうどぅい(※1)

琉球王国時代の1718年に踊奉行おどりぶぎょう(式典の際に舞台を指揮、指導する役職)の任命を受けた玉城朝薫たまぐすくちょうくん師により創始された歌舞劇かぶげきです。

台詞、舞踊、音楽の三つの要素から構成された古典芸能で、1972年に国の重要無形文化財に指定され、2010年には世界のユネスコ無形文化遺産に登録されました。

 

水面に仲良く浮かんだ花

水面に仲良く浮かんだ花

 

補足

 

昔節んかしぶしのちらし

仲順節ちゅんじゅんぶし」は昔節んかしぶし(※1)である「首里節しゅいぶし」のちらし(※2)として演奏されています。

 

昔節んかしぶし(※1)

首里節しゅいぶし」、「作田節ちくてんぶし」、「ぢやんな節ぢゃんなぶし」、「諸屯節しゅどぅんぶし」、「暁節あかつぃちぶし」の五曲を総称して、昔節んかしぶしまたは前の五節めえぬいつぃぶしと呼んでいます。

古典音楽では古くから存在し、演奏時間、演奏技術ともに大曲と云われています。

一説によると、尚思紹王しょうししょうおうの時代(在位:1406年 - 1421年)に作曲されたものではないかと云われています。

 

ちらし(※2)

昔節んかしぶしの曲につないで演奏する終結部の楽曲。

楽曲の熱を徐々に散らしながらおさまりをもたせる構成。

御供ともいいます。

 

仲順節ちゅんじゅんぶし」は古典舞踊女踊りのページで解説しています。

下記リンクよりご参照ください。

 

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「天川」 - 古典舞踊/女踊り

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