工工四
歌詞
をがでのかれらぬ 首里天ぎやなし
遊でのかれらぬ 御茶屋御殿
訳
拝顔すると去りがたいのは首里の国王様であり、
催し事(宴席)で去りがたいのは御茶屋御殿である。
をが
- 拝が = 拝する
- お目にかかる
のかれらぬ
- 退くことができない
- 去りがたい
首里天ぎやなし
- 琉球王朝時代の国王の敬称
- 首里天 = 首里城の国王
- ぎやなし(加那志) = ~様といった敬称に用いる
遊で
- 集い
- 宴
- 催し事
御茶屋御殿
- 王家の別邸
- 迎賓館(※補足参照)
解説
「茶屋節」は歌詞に登場する御茶屋御殿(詳細、補足参照)を舞台に描かれており、琉球国王に対する忠義と高尚な佇まいの御殿を賛美した歌曲です。
国王の御前に立てば御威光に引きつけられ去りがたく、また、御茶屋御殿の宴席ではいつまでも芸事を観賞していたいものだという心境を詠み込んでいます。
本曲は歌の合間に入れる三線の間奏部(間の手)の組み合わせが巧妙であることから、別名「手ヅィクリ」と呼ばれています。
補足
御茶屋御殿
御茶屋御殿は那覇市首里崎山町に建てられた王家の別邸で、首里城の東に位置することから東苑とも呼ばれていました。
王家の保養所として利用されたほか、歌三線や舞踊、茶道や華道をはじめ、さまざま催し事を披露し、外国からの客人をもてなす迎賓館の役割を果たしていました。
市街を見晴らす眺望の良い高台に建てられていましたが、沖縄戦ですべて焼失しました。
大昔節
「茶屋節」は古典音楽の大昔節(※1)の分類に属し、「すき節」のチラシ(※2)につないでいきます。
「すき節」- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 節々がなればしつぃしつぃがなりば 木草だいも知ゆりちくさでんしゆゐ 人に生まれとてふぃとぅにうまりとぅてぃ 我親知らぬわうやし ...
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大昔節(※1)
ちらし(※2)
つないで演奏する終結部の楽曲。
楽曲の熱を徐々に散らしながらおさまりをもたせる構成をとります。
御供ともいいます。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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