工工四
歌詞
さらばたち別ら よそ目ないぬうちに
やがて暁の とりも鳴きゆら
訳
それではお別れしましょう、人目につかぬうちに。
やがて暁の鳥も鳴くでしょう。
たち別ら
- 別れ去る
- お別れする
暁
- 夜半から夜明け前の時分
- 夜明け頃、明け方
- 暁の鳥 = 鶏
解説
「述懐節」(本調子)は夜が明けて別れを惜しむ男女の切情を詠み込んだ歌曲です。
空が徐々に明るくなり、間もなく暁の鳥(鶏)が夜明けを告げるであろうから、人目につかぬうちにお別れしましょうと、束の間の愛の語らいを名残り惜しむ様子が描かれています。
「述懐節」(本調子)は落ち着きのある曲想で展開していくのに対して、ニ揚調の「述懐節」は情感あふれる曲想で終始展開していきます。
補足
弦試
琉球弦楽器(主に三線)の音調を合わせることを弦試と呼び、調弦方法は本調子を軸にしていくつかパターンがあります。
尚、三線の弦は太い弦から男弦、中弦、女弦の名称で呼ばれています。
調弦の種類
- 本調子(ほんちょうし):
演奏者の声質に合わせた基本の調弦。 - 一揚調子(いちあぎちょうし):
本調子より男弦を一音半~二音上げる。 - ニ揚調子(にあぎちょうし):
本調子より中弦を一音上げる。 - 一ニ揚調子(いちにあぎちょうし):
本調子より男弦と中弦を一音上げる。 - 三下調子(さんさぎちょうし):
本調子より女弦を一音下げる。
音の調子
「述懐節」は本調子、ニ揚調など、音の調子を種々に編曲し、それぞれが独立した歌曲として愛唱されてきました。
「述懐節」(ニ揚調)- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 拝でなつかしやをぅがでぃなつぃかしや まづせめてやすがまづぃしみてぃやすぃが 別ておもかげのわかてぃうむかぢぬ たたばきやしゆ ...
続きを見る
「述懐節」(二揚調・下出し)- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 いな昔なるゑいなんかしなるゐ あはれ語らたるあわりかたらたる なれしい言葉のなりしいくとぅばぬ くたぬうちにくたんうちに &n ...
続きを見る
「述懐節」(本調子・下出し)- 古典音楽
工工四 印刷・保存 【工工四について】 歌詞 いな昔なるゑいなんかしなるゐ あはれ語らたるあわりかたらたる なれしい言葉のなりしいくとぅばぬ くたぬうちにくたんうちに &n ...
続きを見る
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
続きを見る