工工四
歌詞
語りたや 語りたや
月の山の端に かかるまでも
訳
語りましょう、語りましょう、
月が山の稜線に懸かるまで。
山の端
- 山と空が接する部分
- 稜線
解説
「仲風節」(本調子)は山のかげに月が隠れる(夜明け)まで、たくさん語り明かしたいと思う男女の一途な恋心を綴った歌曲です。
自由恋愛が適わなかった時代、恋する二人が忍び逢い語り明かした束の間の時間はさぞかし一入であったことでしょう。
一般的に琉歌は上句〔八・八〕、下句〔八・六〕の計三十音の定律で構成されますが、本曲の上句は〔五・五〕の和歌の音数律で詠まれています。
一説によると、こうして和歌と琉歌の二つの要素を中半分ずつ取り入れたことから”仲風”と呼ばれるようになったと云われています。
補足
歌曲の形式
本曲は仲風形式で構成された代表的な作品になります。
この他にも「柳節」、「赤田風節」、「今風節」も同じ形式で詠まれています。
以下、琉球音楽で使用される主な形式の分類になります。
形式
- 短歌(たんか):
音数律が〔八・八・八・六〕の計三十音で構成される一般的に詠われている琉歌。 - 長歌(ちょうか):
八の音句が短歌よりも長く続く形式。 - 仲風(なかふぅ):
上句が和歌の音数律〔七・五〕〔五・五〕で構成され、和歌と琉歌を折衷して詠まれた形式。 - 口説(くどぅち):
七句と五句を繰り返す七五調の節回しに物語的要素を持つことが特徴である。 - 連歌(つらね):
長歌と同じく八の音句が長く続く形式であるが、長歌よりもさらに長く続き、女性から男性に宛てられた手紙の体裁で表現していることが特徴である。 - 木遣り歌(きやりうた):
八八調の連続で間に囃子の掛け合いが入る。木材の伐り出しや運搬をおこなうときの労働歌。
音の調子
「仲風節」は本調子、ニ揚調など、音の調子を種々に編曲し、それぞれが独立した歌曲として愛唱されてきました。
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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