工工四

【工工四について】
歌詞
仲良田の米も はなれつぢ粟も
稲粟のなをり みろく世果報
訳
仲良田の米も離れ島の頂にある粟も
よく実って豊年豊作である。
仲良田
- 字西表一帯(行政区)に耕された田んぼ
はなれつぢ
- 離れ島の頂(外離島)
なをり
- 実り
みろく世果報
- 弥勒様がもたらす穏やかで平和な世の中
- 幸福で実り豊かな世の中
- 泰平な世
- 豊年
解説
「なからた節」は西表島の西部に位置する祖納、干立集落を舞台に、その年の豊作を祝して詠まれた歌曲です。
西表島の南西部を流れる仲良川の中流付近にはかつて水田を開墾した歴史があり、当時は船で渡って泊まり込みで農作業をしていました。
仲良田の名称はこの流域一帯の水田地帯に由来しますが、現在では字西表(行政区)全域にある肥沃な美田に対して総称されるようになりました。
また、仲良田(水田地帯)は浦内川からクイラ川までの範囲(下記地図赤枠)に面する平地部に点在しています。
補足
豊年祭(祖納・干立)
祖納、干立集落では毎年旧暦6月(新暦:7~8月頃)になると、豊年祭(豊穣祈願)を祝して「仲良田節」(※西表島での読み方は"なからだぶし")が代々歌い継がれています。
黄金の稲穂が頭を下げ、マイカリ(稲刈り)の時期になると、丙の吉日を選んでシコマヨイ(初穂祝い)が執り行われます。早朝に田んぼで稲穂を刈り取り、御嶽で神に初穂を捧げます。
田植えから初穂の奉納までの期間は稲の成長をさまたげるとして、三線や太鼓などの楽器は演奏してはならない習わしがあります。
そのため「仲良田節」は一年を通して、シコマヨイ(初穂祝い)から豊年祭までの期間までしか歌うことが許されていません。
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは「なからた節」が舞踊曲として演奏される古典演目「瓦屋節(なからた)」について解説しています。
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「瓦屋節」 - 古典舞踊/女踊り
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参考文献一覧
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