音楽

「中城はんた前節」- 古典音楽

2019年7月19日

中城はんた前節なかぐすぃくはんためーぶし:工工四

 

中城はんた前節の工工四

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歌詞

 

飛び立ちゅる蝶とぅびたちゅるはびる 先づよ待て連れらまづぃゆまてぃつぃりら

花のもと吾身やはなぬむとぅわんや 知らぬあものしらんあむぬ

 

飛び立とうとしている蝶よ、一寸お待ちください。
愛しい方のいる場所を知らないので、わたしも一緒に連れて行ってくださいな。

 

楽曲の解説

中城はんた前節なかぐすぃくはんためーぶし」は、宮廷の祝賀行事の座開ざびらきとして、琉球国王の御前で演奏されていました。

一般的に「かぎやで風節」を”御前風ぐじんふう”と特称とくしょうしますが、「中城はんた前節なかぐすぃくはんためーぶし」、「恩納節うんなぶし」、「特牛節くてぃぶし」、「長伊平屋節ながいひゃぶし」においても国王の御前で演奏されていた史実しじつが記されています。今日ではお祝いの宴席で初めに演奏する習わしとなっており、この五曲を総称して”御前風五節ぐじんふういちぶし”と呼んでいます。

曲名の由来は、沖縄本島から西へ約100kmのところにある久米島が発祥とされています。

さかのぼること15世紀、久米島くめじまには伊藤ちなはという名の一族が島を統治しており、その時代に建てられた宇江城うえぐすぃく(※1)のことを別名、中城と言います。

はんた前の”はんた”とは、沖縄の言葉で「端」という意味を持ちます。

中城はんた前節なかぐすぃくはんためーぶし」の発祥である原歌は以下の通りです。

 

はんた前の下りはんためぬくだい 溝割てどよこすんじゅわていどぅゆくす

三十ませ三ませさんじゅましみまし 真水こめてまみじくみてぃ

 

中城(宇江城うえぐすぃく)周辺の傾斜地に、溝をつくって水を引く。
たくさんの田んぼに水がいきわたり、なんと素晴らしいことか。

 

宇江城(※1)

久米島くめじまは15か所以上の城があると言われており、この宇江城うえぐすぃくは沖縄県内の城の中で最も高い場所(標高310mの宇江城岳うえぐすぃくだけの山頂)に築かれました。

 

補足

中城はんた前節なかぐすぃくはんためーぶし」は、古典舞踊 - 女踊り 「やなじ」 のページでも詳しく説明しています。
下記リンクからご参照ください。

 

柳のアイキャッチ画像
「柳」 - 古典舞踊/女踊り

中城はんた前節なかぐすぃくはんためーぶし(前段):歌詞   飛び立ちゅる蝶とぅびたちゅるはびる 先づよ待て連れらまづぃゆまてぃつぃりら 花のもと吾身やはなぬむとぅわんや 知らぬあものしらんあ ...

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参考文献

・琉球装束(その一) 舞踊と装い 古典女踊りの装い - 著者:金城 光子、 祝嶺 恭子
・沖縄の踊りの表現特質に関する研究 - 著者:金城 光子
・琉球古典音楽の表層―様式と理論 - 著者:大湾 清之
・花かんざし - 発行:冠船流川田琉球舞踊団
・沖縄新民謡の系譜 - 著者:大城 學
・沖縄舞踊の歴史 - 著者:矢野 輝雄
・琉球舞踊の世界 - 著者:勝連 繁雄
・ふるさとの歌 - 著者:与那嶺 政牛
・琉球芸能教範 - 著者:池宮喜輝
・原日本・沖縄の民俗と芸能史 - 著者:三隅 治雄
・琉球音楽歌三線筝曲綜譜 - 著者:川田 松夫
・琉舞手帖 - 著者:大道 勇
・舞踊曲工工四 - 発行:琉球古典音楽 野村流保存会
・沖縄祭祀資料 - 発行:データベース
・琉球舞踊 石川文洋写真集 - 著者:
石川文洋
・琉球舞踊(鑑賞の手引き) - 発行:沖縄県商工労働部観光・文化局文化振興課
・琉球舞踊 - 発行:沖縄県商工労働部観光・文化局文化振興課
・文書・写真資料 - 管理:那覇歴史博物館
・国指定文化財等データベース - 管理:文化庁

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マブイ

ニライカナイから遊びにやってきた精霊。
伝統芸能の継承と発展を見守りつづけています。

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