工工四
歌詞
けふのいからしや 誰がすいからしゆが
首里天ぎやなし 御祝いやこと
訳
今日、慶び興じているのは誰のため慶びか、
それは首里にいる国王の御祝いであるからです。
いからし
- 慶び興じる
首里天ぎやなし
- 琉球王朝時代の国王の敬称
- 首里天 = 首里城の国王
- ぎやなし(加那志) = ~様といった敬称に用いる
解説
「世栄節」は国王の祝宴を寿ぎ、琉球王国の繁栄を予祝した歌曲です。
一説によると、もともとは国王の葬送時に詠われていた「世衰節」が「世直節」となり、のちに世果報(※1)を祈願する曲想に変わって「世栄節」に改められたと云われています。参考:『嗣周・歌まくら/那覇出版社』
「世栄節」は他にも豊年の喜び、季節の移り変わりを題材に祝儀的な要素を含んだ琉歌が詠われています。
世果報(※1)
古来からの信仰である弥勒世果報の言い伝えで、弥勒様がもたらす穏やかで平和な世の中、幸福で実り豊かな世の中などをあらわします。
世栄節(その他)
嬉しさやことし 彌勒代盛りに
上下も共に 遊ぶうれしや
訳
嬉しいことに豊年になって、
身分の上下関係なしに楽しむことは喜ばしいことである。
彌勒代
- 豊年の世
補足
世栄節
本曲の他に「伊江節」、「垣花節」、「揚沈仁屋久節」の四曲を組曲として”世栄一鎖”と称し、座歌では本歌で歌う慣わしがあります。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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