工工四

【工工四について】
歌詞
白保村上なか 弥勒世ばたばられ
ユラティク ユラティク ヲゥドゥリアシバ
訳
白保村に実り豊かな世が賜われた
寄ってらっしゃい、寄ってらっしゃい、踊り楽しみましょう
弥勒世
- 弥勒様がもたらす穏やかで平和な世の中
- 幸福で実り豊かな世の中
- 泰平な世
- 豊年
たばられ
- 賜われ
- 与えられ
解説
「白保節」は石垣島の南東部に位置する白保地区が発祥の地で、現地に伝わる八重山民謡「白保節(ゆらてぃく)」を原歌として沖縄本島に伝わったとされる歌曲です。
白保地区では旧暦六月になると五穀豊穣を祈願する「豊年祭」がおこなわれ、奉納芸能の一つとして本曲が代々歌い継がれてきました。
「白保節」は弥勒様がもたらす実り豊かな世に感謝の祈りを捧げて詠まれた歌で、囃子詞の”ユラティク”は「歓迎」の意味が込められており、白保の文化や風習をつくりあげてきた言葉として人々の心に根付いてきました。
補足
年中行事
旧暦六月の三日間に渡っておこなわれる「豊年祭」は白保地区最大のお祭りで、海の彼方のニライカナイ(楽土)から五穀豊穣を運んでくるとされるミルク様(来訪神)を迎え入れ、今年一年の収穫物への感謝と来年の豊作を予祝しておこなわれます。
その他、白保地区は伝統行事が盛んな地域として知られており、航海安全、豊漁を祈願する「海神祭」、無病息災、厄払いを祈願する「獅子舞」をはじめ年間を通してさまざまなイベントが開催されます。
白保節(白保)
1.
白保村上ナガ
弥勒世バ タボラレ
2.
稲粟ヌ 稔リ
常ユイン 勝ラシ
3.
首里加那志 美物
御残イヌ 稲粟
4.
泡盛ン マラショウリ
ウンシャグン造リョウリ
5.
真樹ヌ主バチィカイシ
目差親バ 御供シ
6.
上カイ持チ 祝ス
下カイ持チ 賀イス
7.
夜ヌ七日、祝ス
昼ヌ数日 賀イス
訳
1.
白保村の農作物は
弥勒世(豊年の世)の満作で
2.
稲粟の稔り方は
例年より遙かに豊穣である
3.
首里王様への貢物の
残穀の稲粟で
4.
泡盛酒を醸造し
御神酒も製造して
5.
真謝村の村長を御招待し
同村の助役もお招きして
6.
上の真謝村へご案内して祝し
また下の白保村へ御供して祝賀もする
7.
夜の七日間も祝して
昼の数日も祝賀しましょう
美物
- 米貢と御用布の意。
真樹村
- 真謝村 = 寛延三年(1750)に白保村から分村して創立したが、明和八年(1771)に発生した大津波によって壊滅し廃村となった。
- 栄えさせること。
目差
- 各村には蔵元(※1)と呼ばれる行政機関があり、目差親は、与人(村長)を補佐する助役にあたる。
- 「白保節」は、当時、真謝村の目差を務めていた宮良当演(1775-1831年)によって作詞作曲されたものであると云われている。
昼のムムカ
- ムムは「百」を意味しているが、他に、「多くの」、「たくさん」という意味を持つから数日とした。
引用:喜舎場永珣 著 「八重山民謡誌」(1967年)
蔵元(※1)
琉球王府が宮古・八重山に設置した地方行政機関で、王府の命令を伝えて地域統治を行い、人頭税をはじめとする税の徴収や貢納物の管理、さらに司法・取り締まりも担った役所である。
蔵元の主な役職
- 首里大屋子:行政・司法・税務を統括する最高責任者。(琉球王府側の公式の統治者)
- 与人:首里大屋子を補佐する実務の頭。(地元の有力者から選ばれた)
- 目差:人頭税などの税の徴収や治安維持を担当し、上役の指示のもとで現場の行政実務を担った。
- 筆者:書記として書類・帳簿・記録などを扱う専門的事務担当。
-

参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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