工工四
歌詞
1.
諸鈍長浜に 打ちやり引く波の
諸鈍女童の 目笑ひ歯ぐき
2.
諸鈍みやらべの 雪のろの歯ぐき
いつか夜のくれて み口すはな
訳
1.
諸鈍村の長浜に打ち寄せて引く波は
諸鈍村の娘が微笑むときにみせる口元歯並びのよう。
2.
諸鈍村の娘の雪のような白い歯に口元、
そのうち日が暮れたら口づけをしたいものだ。
諸屯長浜
- 現在の加計呂麻島の諸鈍集落(鹿児島県大島郡瀬戸内町大字諸鈍)に位置する浜辺。
女童
- 乙女
- 娘
解説
「シヨンダウ節」は諸鈍長浜に打ち寄せる白波の美しい情景に村の娘が微笑む姿を映し重ねて詠まれた歌曲です。
「諸鈍長浜」は加計呂麻島のデイゴ並木が連なる風光明媚な観光名所として知られ、かつては各国との交易の玄関口として様々な文化が交わる地域でした。
一説によると、「シヨンダウ節」は琉球王国による奄美群島統治時代に駐留していた兵士によって詠まれた歌であると言い伝えられています。参考:『民謡紀行全集3/服部竜太郎』
補足
原歌
「シヨンダウ節」の発祥の地である諸鈍集落では、代々継承されてきた八月歌(※1)「諸鈍長浜」の歌碑が建てられています。
八月歌(※1)
旧暦の八月、奄美大島、加計呂麻島、喜界島、徳之島などで豊年豊作を祈願しておこなわれる伝統行事「八月踊り」で代々継承されている歌唱曲です。参考:『奄美民謡「諸鈍長浜節」の系譜』
「諸鈍長浜」
1.
諸鈍ぬ長浜に 打上ぐぃ引く波や
諸鈍みやらぶぃ(娘)ぬ 笑い歯ぐき
2.
諸鈍ぬ長浜や 大和がでぃとゆむ
諸鈍みやらぶぃや 島中とゆむ
3.
浦々ぬ深さ 諸鈍ぬ浦深さ
諸鈍みやらぶぃの うむえ(情)ぬ深さ
4.
諸鈍みやらぶぃや 雪のろぬ歯ぐき
何時が夜の暮れぃて 御口吸はな
歌詞引用:「諸鈍長浜」の歌碑より
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは「シヨンダウ節」が舞踊曲として演奏される古典演目「醜童(しよんだう)」について解説しています。
「醜童」 - 古典舞踊/打組踊り
シヨンダウ節:歌詞 ”シュンドー” 諸鈍長浜にしゅどぅんながはまに ”ヨウアシュンドー” 打ちやり引く波のうちゃいひくなみぬ ”ヨウアシュンドー” ”シュンドー” 諸鈍女童のしゅどぅんみ ...
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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