工工四
歌詞
けふや御行逢ひ拝で いろいろのあそび
明日や面影の 立つよとめば
訳
今日はお会いしてたくさん遊ぶことができ(楽しかったが)、
明日、面影が立つと思うと(心が切なくなります)。
御行
- お会いする
逢拝で
- 拝顔する
- お目にかかる
おもかげ
- 心に思い浮かべる姿
解説
「南嶽節」は愛する人と過ごす束の間の時間を名残惜しんで詠まれた歌曲です。
一日が楽しければ楽しいほど、別れた後の寂しさは一層募っていきます。
一説によると、「南嶽節」は八重山諸島の波照間島が発祥の地で、現地のお盆行事(ムシャーマ)で伝承されている古謡「祖平花節」が原歌であると云われています。
「祖平花節」はその昔、波照間港から名石集落を結んだ祖平花道の開通を祝して詠まれた歌曲です。
補足
舞踊演目
軽快なリズムの「南嶽節」に「武富節」と組み合わせ、娘の恋心を晴れやかに踊る雑踊り(※1)「貫花」の演奏曲として構成されています。
雑踊り(※1)
明治16年(1883)頃、琉球芸能が初めて入場料を取って興行がおこなわれて以来、芝居小屋で創作振り付けられた近代の舞踊。
琉球王朝が崩壊した後、歓待芸能を職としていた者が率いて踊りを披露していました。
南嶽節(舞踊「貫花」より)
1.
うちならしならし ヨーサーサー
四つ竹はならし ヨーサーサー
シュラヨーイ キユスディナンダキヨー
2.
ならす四つ竹の ヨーサーサー
音の美らさ ヨーサーサー
シュラヨーイ キユスディナンダキヨー
3.
今日や御座出でて ヨーサーサー
遊ぶうれしや ヨーサーサー
シュラヨーイ キユスディナンダキヨー
訳
1.
打ち鳴らし鳴らし
四つ竹を鳴らし
2.
鳴らす四つ竹の
音の奥ゆかしいことよ。
3.
今日は晴れの舞台に出て踊ることの
なんと嬉しいことよ。
四つ竹
- 約10~15センチに切った竹材に朱色を塗り、飾り紐で二つの竹片をつないだ小道具(伴奏楽器)。”カチカチ”と二つの竹を打ち合わせて演奏し、両手あわせて四枚の竹片を使用していることからその名が付く。
御座
- 身分の高い人がおいでになる席
※流派によっては、曲目や構成が異なる場合があります。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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