工工四
歌詞
みる花に袖や 引きよとめられて
月のぬきやがてど もどていきゆる
訳
見る花に袖を引きとめられて、
月が出て来る頃に帰路につく。
ぬきやがてど
- 出て来る
もどていきゆる
- 戻って行く
- 帰路につく
解説
「本嘉手久節」は自然の摂理に人生の在り方を説いた教訓的な歌曲です。
美しい花に見とれているうち時間はあっという間に過ぎ去るもので、寂莫とした月夜を知らせに名残惜しい気持ちを抑えて帰路に着く心の様子を描いています。
本曲の出自は明らかになっていませんが、最古の琉歌集である『琉歌百控』(※1)には一部同名の”嘉手久”が含まれる「早嘉手久節」が収められており、出自は”東間切之内東嘉徳村”(現・大島郡瀬戸内町嘉徳)と記されています。
また、『標音・評釈琉歌全集/武蔵野書院版』に収録されている「やくにや節」は「本嘉手久節」と同じ歌詞で詠われており、出自が奄美大島と記されています。
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
補足
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは「本嘉手久節」が舞踊曲として演奏される「本嘉手久」について解説しています。
「本嘉手久」 - 古典舞踊/女踊り
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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