工工四
歌詞
勝連の島や 通ひぼしやあすが
わにやまぜうの潮の けやりあぐで
訳
勝連の島には通いたいけれど、
和仁屋間門の潮路を進むのは困難である。
勝連
- 沖縄本島中部うるま市の東海岸に位置する勝連半島のこと。
わにやまぜう
- 和仁屋間門 = 北中城村の和仁屋と隣接する渡口の間にかつて存在した地域名。
あぐで
- 倦む = 困る
- 困難
解説
「勝連節」は首里方面より勝連半島に向かう道中の和仁屋間門に広がる干潟の難所を詠み込んだ歌曲です。
この一帯は干潮時になると人が歩けるほどの浅瀬になることから勝連半島に向かう道中として使われてきましたが、足場が悪く潮の流れも強いため交通の難所として知られていました。
和仁屋間門の難所を詠った作品は他にも古典舞踊「八重瀬の万歳」の旅の道中を詠み込んだ「道行口説」にその様子が描かれています。
補足
楽曲の変遷
最古の三線楽譜である『屋嘉比工工四』(※1)には「和仁也間門節」の節名が収められており、歌詞は「勝連節」の上句と同じ琉歌が記されています。
また、中頭郡北中城村渡口にある渡口多目的広場の一角には「和仁屋間門」の節名で琉歌碑が建てられており、本曲と同じ琉歌が刻まれています。
屋嘉比工工四(※1)
琉球音楽家の屋嘉比朝寄(1716-1775)によって編み出された記譜法により創案された現存する最も古い三線楽譜です。(117曲編纂)
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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