工工四
歌詞
謝敷板干瀬に 打ちやり引く波の
謝敷みやらびの 目笑ひ歯ぐき
訳
謝敷の浜の平たい板のような岩瀬に寄せては引く波の打ちしぶきは、
謝敷の乙女が微笑んだ歯並びを思わせてくれる。
謝敷
- 沖縄県国頭郡国頭村謝敷の国道58号線沿いに連なる浜辺。
板干瀬
- 海中の炭酸カルシウムのセメント作用によって、砂や礫が板を敷いたように固結した岩瀬のこと。
みやらび
- 女童
- 乙女
- 娘
解説
謝敷の浜に打ち寄せる白波に乙女が微笑む表情を映し重ねて詠まれた歌曲です。
「謝敷節」は国頭郡国頭村謝敷に連なる浜辺が舞台で、国道58号線沿いには本曲の歌碑が建てられています。
謝敷の浜はサンゴ片からなる砂地と板のような形状をした岩瀬で形成されており、寄せる波が打ち砕け白波が立つ美しい情景を詠み込んでいます。
補足
三千首の琉歌を収めた『標音・評釈 琉歌全集/ 武蔵野書院版』には十七首の「謝敷節」が収録されており、恋歌のほか自然や季節の情景を詠んだ琉歌が収められています。
その中から、第14代琉球国王の尚穆王(在位:1739年-1794年)が詠んだとされる琉歌あるのでピックアップします。
謝敷節(作:尚穆王)
秋の野にのがす 鶯のほける
春のおもかげをの 残てをため
訳
秋の野にどうして鶯がさえずっているのか、
春の面影が残っているためか。
のがす
- どうして
- 何故
ほける
- さえずる
おもかげ
- 心に思い浮かべる姿
略歴
■尚穆王(1739年-1794年)
第二尚氏王統 第14代琉球国王(在位 1752年 - 1794年)
統治した期間は災害が相次いだこともあり、国の基盤を建て直すための制度を整備した。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
続きを見る