工工四
歌詞
あがり打ち向かて 飛びゆる綾蝶
まづよ待てはべる いやりもたさ
訳
東の方へ向かって飛び立つ美しい蝶よ、
一寸待っておくれ、お願いしたい言伝があります。
あがり
- 東方
- 陽の上がる方
綾蝶
- 美しい羽模様の蝶
いやり
- 言伝
- 託し物
- 言付け
解説
「伊江節」は遠く離れた場所で暮らす愛する人に向けて、蝶に言付けを託したロマン溢れる歌曲です。
辺りを飛び回る身近な存在の蝶に対して人間的感情を与え、アクセントをつけた表現技法が特徴的な歌詞です。
本曲は節名の通り、伊江島が発祥の地で国頭郡伊江村東江前の伊江浜入り口には歌碑が建てられています。
上句の"あがり~"は、「東の方角」と「伊江村東江」の地名を掛詞にして表現しています。参考:『標音・評釈 琉歌全集/ 武蔵野書院版』
補足
世栄一鎖
本曲の他に「世栄節」、「垣花節」、「揚沈仁屋久節」の四曲を組曲として”世栄一鎖”と称し、座歌では本歌で歌う慣わしがあります。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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