工工四
歌詞
子孫そろて 願たことかなて
大主の百歳 お祝しゃべら
訳
子や孫が揃って、願ったことが叶い、
村の頭の百歳をお祝いしましょう。
大主
- 村の頭
- 琉球王府が制定した序列において、最も位の高い身分に位置(王族を除く)し、領地の頭の座に就くもの。
解説
「ちるれん節」は、子と孫に囲まれながら百歳の長寿を迎えることが出来た慶びを祝して詠まれた歌曲です。
節名の”ちるれん”の由来は、風車が廻る様子を表現した擬音語で、沖縄では長寿を迎えると再び童心に帰るとされたことから、幼子のおもちゃである風車を持たせてお祝いをする風習に因んでいます。
各地域の年中行事では、古くより「長者の大主」と呼ばれる祝賀芸能が演じられてきました。
長老(翁)が子と孫を引き連れて舞台に上がり、健康長寿、子孫繁栄、五穀豊穣の祝言を述べたあと、子や孫たちの祝賀の踊りをはじめ様々な演目を披露します。
この「長者の大主」を組踊にアレンジした「辺戸の大主」の演目に「ちるれん節」が編成されています。
また、「柳節」、「天川節」、「ちるれん節」の三曲を一組(一鎖)にして演奏されることがあります。
補足
とぅしびー
12年ごとにめぐってくる生まれ干支を節目として、計8回の生年祝いを年日といいます。
沖縄ではもともと生まれ年を厄年とする考えから、無病息災を祈願する意味が込められています。
生年祝い
- 13歳(ジューサンユーエー):
未来に向けて幸先を祈る。早婚だった頃、女の子は生家で迎える最初で最後のトゥシビーになるため盛大におこなわれる風習がある。 - 25歳(ニジューグヌユーエー):
特別に祝う習慣はないが、災厄の祈願をおこなう。 - 37歳(サンジューシチヌユーエー):
特別に祝う習慣はないが、災厄の祈願をおこなう。 - 49歳(ククヌトゥグンジュー):
この年は大厄とされていた。災厄の祈願をおこなう。名前のククヌトゥグンジューは「九・五十」に由来するが解釈ははっきりしていない。 - 61歳(ルクジューイチヌユーエー):
親戚縁者や知人を招いて還暦のお祝いをすることが多い。 - 73歳(ナナジューサンヌユーエー):
親戚縁者のみで食事をおこなう程度に済ませ、長寿をお祝いすることが多い。 - 85歳(ハチジューグヌユーエー):
親戚縁者や知人を招き、大きな宴席を設けて長寿をお祝いする。 - 97歳(カジマヤー):
親戚縁者や知人はじめ、町内をあげて盛大な祝宴が開かれる。97歳に掛けて、旧暦の9月7日にお祝いする決まりがある。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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