工工四
歌詞
かれよしの遊び うちはれてからや
夜のあけててだの あがるまでも
訳
おめでたい宴に身も心も開放されて、
夜が明けて太陽がのぼるまで(楽しみましょう)。
かれよし
- おめでたいこと
- 縁起がよいこと
遊び
- 集い
- 宴
- 催し事
うちはれて
- 身も心も開放して
- 気分が晴れて
※祭祀行事の「うちはれの遊び」を指しているとの説もある。
解説
「安波節」はおめでたい宴の場に興じて太陽が昇る夜明けまで思う存分楽しもうという晴れやかな心の内を詠み込んだ歌曲です。
本曲の上句”うちはれ”の解釈には諸説あり、かつて集落の祭祀行事でおこなわれていた「うちはれの遊び」という名称の神事を指しているのではないかという説があります。
「うちはれの遊び」は身に着けている(覆いかぶさった)着物(不浄なもの)を取りのぞき、生まれたままの姿で場を清める神事のことを指します。 参照:「ごえん節」
補足
原歌
「安波節」は国頭郡国頭村安波が発祥の地で、普久川を渡る御拝橋の袂には元となる原歌の歌碑が建てられており、節名の由来は安波の地名から命名されています。
安波節
安波の真はんたや 肝すかれ所
宇久の松下や ねなしところ
訳
安波のマハンタは(見晴らし良く)心すがすがしい所、
宇久の松の木の下は(ひと休みに)横になる所。
真はんた
- 見晴らしの良い清水山の中腹にあるエリア(現在のマハンタ広場)。清水山は聖地としてあがめられ、古くより祭祀行事(シヌグ・ウンジャミ)が盛んにおこなわれていた。
肝すかれ
- 心すがすがしい
※高いところで肝を冷やすという解釈もあり。
宇久
- 奥(うく)が転じたもの
※地名という解釈もあるが定かではない。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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