古典音楽

「東里節」- 古典音楽

工工四

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歌詞

 

豊かなる御代のゆたかなるみゆぬ しるしあらはれてしるしあらわりてぃ

雨露の恵みあみつぃゆぬみぐみ 時もたがぬとぅちんたがん

 

豊かなる世の兆しがあらわれて、

雨の恵みも時をたがわず。

御代みゆ

  • 治世ちせい(世を治めること、統治)
  • よく治まった世

しるししるし

  • きざ

たがぬたがん

  • たがわず

 

解説

東里節あがりざとぅぶし」は季節の雨が農作物を適度にうるおし、一年の豊作を予祝よしゅくしてまれた歌曲です。

本曲の歌詞は「揚作田節あぎつぃくてんぶし」の本歌と同じ歌詞でまれており、かつて琉球王国が稲作の生育に力をあげて見守ってきた歴史的背景を伺い知ることができます。

東里節あがりざとぅぶし」の工工四くんくんしー(教本)は一揚調いちあぎちょう(※1)で記されていますが、現在はこの調弦法で演奏することはほとんどなくなりました。

 

一揚調いちあぎちょう(※1)

本調子ほんちょうしより第一弦(男弦をぅーぢる)を一音半~二音上げる調弦法です。

※乙と老の中間の音

 

葉先の雫

葉先の雫

 

補足

 

舞踊演目

縁起のあるかぶり物を頭に装着して華やかに踊る雑踊りぞううどぅい(※2)「松竹梅しょうちくばい」では、「竹」の演舞シーンで本曲の旋律が演奏されており、歌詞は以下の内容でうたわれます。

 

雑踊りぞううどぅい(※2)

明治16年(1883)頃、琉球芸能が初めて入場料を取って興行こうぎょうがおこなわれて以来、芝居小屋で創作振り付けられた近代の舞踊。

琉球王朝が崩壊した後、歓待芸能を職としていた者が率いて踊りを披露していました。

 

東里節あがりざとぅぶし(舞踊:松竹梅しょうちくばい

肝のもてなしやちむぬむてぃなしや 竹の如く直くだきぬぐとぅしぐく

義理の節々やぢりぬふしぶしや 中に込めてなかにくみてぃ

 

心のもちようは竹のように真っすぐ(実直)に、

義理は節々の中に込めて。

ちむ

  • 心情しんじょう
  • 気持ち
  • ハート
  • 肝臓かんぞう

義理ぢり

  • 物事の正しい筋道

 


 

参考文献(沖縄の本)のイメージ画像
参考文献一覧

書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...

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