工工四
歌詞
東あかがれば 夜の明けんともて
月どぬきやがゆる 恋し夜半
訳
東の方が明るくなったので夜が明けるのかと思っていたが、
(そうではなく)月がのぼってくる恋しい夜半であった。
夜半
- 夜中
- 午前0時の前後
解説
「東江節」(本調子)は伊江島が発祥の地で、国頭郡伊江村東江上にある伊江村農村環境改善センターの敷地内には歌碑が建てられています。
本曲はこの東江の地名と歌詞に詠まれる”東”の方角を掛詞にして表現しています。
歌碑に設けてある石板解説には以下の文面が刻まれています。
東の空が白みかけると夜が明けるのかと思っていたら そうではなくて月がのぼって来るのであった
それならば恋人ともう少し語り合う時間があったのに急いで別れてしまって惜しいことをした
あヽいつまでも忘れることのできぬ恋しい夜半だ
補足
組踊
三千首の琉歌を収めた『標音評釈・琉歌全集/武蔵野書院版』には二十三首の「東江節」が集録されており、内容は別離を惜しんで詠った琉歌が多くみられます。
組踊(※1)の演目「忠孝婦人(大川敵討)」、「義臣物語」、「忠臣身替」、「銘苅子」の作品では、別離のシーンの演奏曲として「東江節」の旋律が借用されています。
組踊(※1)
琉球王国時代の1718年に踊奉行(式典の際に舞台を指揮、指導する役職)の任命を受けた玉城朝薫により創始された歌舞劇です。
台詞、舞踊、音楽の三つの要素から構成された古典芸能で、1972年に国の重要無形文化財に指定され、2010年には世界のユネスコ無形文化遺産に登録されました。
略歴
■玉城朝薫(1684年-1734年)
首里儀保村に生まれる。
琉球王国の官僚で冊封式典の踊奉行を務める。
国劇である組踊の創始者で多くの作品を生み出す。
「二童敵討」、「執心鐘入」、「銘苅子」、「孝行の巻」、「女物狂」を朝薫五番と称す。
中昔節
「東江節」は古典音楽の中昔節(※1)の分類に属します。
中昔節(※1)
古典音楽
「東江節」は本調子と二揚調子の調弦法により、それぞれに質の異なる情感を表現しながら演奏されます。
「東江節」(二揚調)- 古典音楽
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「東江節」(アーキー)- 古典音楽
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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