工工四
歌詞
こはでさのお月 まどまどど照ゆる
よそ目まどはかて 忍でいまうれ
訳
クワディーサーの木陰から照らす月はまばらであるから、
他所の目の隙を見はからって忍んでいらしてください。
こはでさ
- モモタマナ(コバテイシ) = シクンシ科に属する樹木。別名クワディーサーと呼ばれている。15m以上に育つ高木で白い花と約3~6cmほどの実をつける。
まどまど
- すき間すき間に
- まばらに
解説
夜になると黒々と生茂ったモモタマナの隙間からは月明りがわずかに覗く程度で、その暗闇を利用して人目につかぬよう男女が逢引している様子を描いています。
「踊こはでさ節」は最古の琉歌集である『琉歌百控』(※1)に原歌となる「胡波伝佐節」が収録されており出自が”久米嶋(久米島)”と記されています。
島の兼城公民館(島尻郡久米島町兼城)には本曲の歌碑が建てられています。
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
補足
逸話
クワディーサーの木は枝が水平に伸び、葉が大きく広がるため、夏場になると快適な木陰を提供してくれます。そのため、人の集まる集会所や公園に多く植栽されてきました。
また、人里離れた淋しい場所や墓地などにも植えられていることから、島の各地では「人の泣き声」を喰って成長する言い伝えが残されています。
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは「踊こはでさ節」が舞踊曲として演奏される「四つ竹」について解説しています。
「四つ竹」 - 古典舞踊/女踊り
踊りこはでさ節:歌詞 打ち鳴らし鳴らしうちならしならし 四つ竹は鳴らちゆつぃだきはならち 今日や御座出てきゆやうざいんじてぃ 遊ぶ嬉しやあしぶうりしゃ 訳 打ち鳴らし、鳴ら ...
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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