「西武門節」- 沖縄民謡

工工四

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歌詞

1.

行ちゅんどうや加那志いちゅんどうやかなし　待ちみそうれ里前まちみそうれさとぅめ

西武門の間やにしんじょうのえだや　御供さびらうとぅむさびら　ヨーテーようて

ジントーじんとう　御供さびらうとぅむさびら

2.

片袖や紺地かたすでぃくんじ　片袖や浅地かたすでぃやあさじ ヨーよう

何時が諸染めのいつぃがむるすみぬ　紺地着ゆらくんじちゆら　ヨーテーようて

染めなち呉りよーやーすみなちくぃりようや　吾身思やわんうむや

3.

染めゆらば里前すみゆらばさとぅめ　くがらしの如にくがらしぬぐうとぅくに ヨーよう

浅地どんやらばあさじどぅんやりば　許ち給れゆるちたぼり　ヨーテーようて

ジントーじんとう　許ち給れゆるちたぼり

4.

浅地染めらわんあさじすみらわん　紺地染めらわんくんじすみらわん ヨーよう

里ままどやゆるさとぅままどぅやゆる　吾身や白地わんやしるじ　ヨーテーようて

染めなち呉りよーやーすみなちくぃりようや　吾身思やわんうむや

5.

いかな山原のいかなやんばるの　枯木島やてぃんかりきじまやてぃん ヨーよう

里と二人やりばさとぅとふたいやりば　花の都はなぬみやこ

ジントーじんとう　花の都はなぬみやこ ヨーよう

6.

かせかけてうちえるかしかきてぃうちぇる　志情の糸やしなさきぬいとぅや ヨーよう

寝て覚めて朝夕にてぃさみてぃあさゆう　布にさびらぬぬにむさびら　ヨーテーようて

幾世いちまでんいくゆいちまでぃん　かわるなよ互にかわるなよたげに ヨーよう

木なれば連理きになりばれんり　比翼オシドリのひゆくうしどぅりぬ ヨーよう

思ひ羽の契りうむいばぬちじり　語れさびらかたりさびら　ヨーテーようて

 

 

 

解説

「西武門節にしんじょうぶし」はかつて那覇の北西部に存在した辻村ちーじむら（※1）の花街を舞台に、つかの間の別れを惜おしむ男女の機微きびを表現した歌曲です。

愛しい人に思いを寄せる恋情を染め物に映し重ね、内なる思いをひたむきに燃焼させる女心を詠よみ込んでいます。

「義理・人情・報恩」を第一の信条に掲げ、戒律の厳しい花街の社会に生きる女（尾類じゅり）のはかない恋物語を描いています。

 

 

※夜香木は夜になると白い花が咲き、ジャスミンの甘い香りを放ちます。この様子を花街に生きる尾類じゅりの姿に映し重ね、別名をジュリバナと呼んでいます。

 

 

補足

 

歌劇・舞踊

当初、「西武門節にしんじょうぶし」は「ヨーテー節」という節名でありましたが、辻を舞台に創作した琉球歌劇「西武門哀歌」の演奏曲に組み入れたところ、いつしか「西武門節にしんじょうぶし」と呼ばれるようになりました。

また、民謡として歌うときは歌詞（上記参照）が六番まで続きますが、舞踊の場合は歌詞が四番までで構成されています。

 

 

西武門

節名の由来となる西武門にしんじょう（久米大道くめうふみちの北口）が、現在どこに位置するのか昔の地図を重ね合わせたところ、西武門にしんじょう交番周辺に存在していたことが確認できます。

 

 

西武門節の起源

特集記事のカテゴリーでは、「西武門節にしんじょうぶし」の起源について詳しく解説しています。

 

「西武門節」の起源

はじめに 島の暮らしの中で生まれた「民謡」は地域ごとに根付いた風土や言葉をのせて、今日に至るまで脈々と庶民の間で歌い継つがれてきました。 島瓦の軒先から流れる三線の音色は人々の心証しんしょうに寄り添い ...

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参考文献一覧

書籍／写真／記録資料／データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...

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