工工四
歌詞
めぐみある御代の 春風になびく
青柳の糸や 民の姿
訳
恵みあるご治世の春風になびく
青々とした柳の枝葉は(まるで穏やかに暮らす)民衆の姿を現している。
御代
- ご治世(世を治めること、統治)
- よく治まった世
青柳の糸
- 青々と垂れた柳の枝葉
解説
「ずず節」はのどかな春の季節に芽吹く青々とした柳の枝葉に、泰平の世を穏やかに暮らす民衆の姿を映し重ねて詠まれた歌曲です。
”柳に風”という諺があるように、風に従ってなびく柳の姿を準え、従順な民衆は災いを受けない = ”穏やかな暮らし”と解釈しています。
最古の琉歌集である『琉歌百控』(※1)には「ずず節」が収められており、節名には「珠数節」の字があてられています。※由来は下記参照
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
補足
節名の由来
三千首の琉歌を集録した『標音評釈・琉歌全集/武蔵野書院版』には教訓的な琉歌を中心に六首の「ずず節」が収められており、「珠数を爪繰って祈る心持ちの歌」として紹介されています。
ずず節
胸に有る鏡み 朝夕思詰り
塵積てからや 磨け苦舎
訳
胸にある心の鏡は常々気に掛けていないと、
塵が積もってからでは磨くことが苦しくなる。
苦舎
- 苦しい
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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