工工四
歌詞
夜雨の降る年 世果報年だいもの
稲粟もなをらし 麦豆もみげらし
訳
夜雨が(程よく)降る年は、豊作の年である。
稲や粟も稔らし、麦や豆もよく茂らしている。
世果報
- 弥勒様がもたらす穏やかで平和な世の中
- 幸福で実り豊かな世の中
- 泰平な世
- 豊年
だいもの
- ~である
なをらし
- 稔らし - 稲などの穀物が実を付ける。
※果物など、実がなる植物に対しては”実る”の語句を使用する。
みげらし
- 茂らし - 参照:『節歌の読み方/大城米雄』
- 上出来 - 参照:『ふるさとの歌/与那覇政牛』
解説
「夜雨節」は適度に降る夜雨に五穀豊穣の祈りを捧げて詠まれた歌曲です。
畑仕事を休んでいる時間帯、また、太陽の光を遮らない夜間に降る雨は農作物に適した天候であることから豊年の兆しとされていました。
現代の農業技術と比べて農作物を育てることが容易ではなかった時代、人々の豊作への願いも一入であったことでしょう。
補足
年中行事
「夜雨節」は波照間島が発祥の地で、原歌となる「五月雨節」が豊年祈願、先祖供養をおこなう年中行事「ムシャーマ」の舞台で歌われてきました。
また、八重山地方に伝わる古典民謡では「夜雨節(ユルアミブシ)」の節名で代々継承されています。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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