工工四
歌詞
あたり苧やうみやり はたいん布織やり
玉黄金里が 御衣よすらね
訳
屋敷のまわりの畑に植えてある苧麻(糸芭蕉)を績んで極上の布を織り、
大切な愛しい人へ着物をつくって差し上げましょう。
あたり
- 屋敷のまわり
- 屋敷の裏
うみやり
- 績む = 苧麻や糸芭蕉などの繊維を均一に細く剥ぎ取り、つなぎ合わせる(撚り合わせる)作業。
苧
- 学術的には植物の苧麻(別名:からむし)のことを指しますが、沖縄本島では糸芭蕉に対しても同じく「苧」と呼んでいることから、両方の植物を本曲の解釈として示しています。
はたいん
- はたいん= 二十読。織り機に掛ける糸の本数を示した単位。80本を一読とし、廿読(二十読)は1600本の糸で織られている。
玉黄金里
- (玉や黄金のように)大切な人。
- 「里」は女性が思いをよせる男性のことを示す言葉。
解説
かつて沖縄の女性は、家の庭に植えてある苧麻や糸芭蕉などの植物から繊維を剥ぎ取って糸をつくり、着物に仕立てるまでの全工程を手仕事でおこなっていました。
一本一本の糸に愛情を込めて織った着物には魂が宿り、大切な人の健康や安全を守ってくれる言い伝えが残されています。
「つなぎ節」の節名は剥ぎ取った繊維を均一にねじり合わせてつなげる(撚り合わせる)作業の「つなぎ」をとって命名したと云われています。参考:『ふるさとの歌/与那覇政牛』
補足
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは、「つなぎ節」が舞踊曲として演奏される「苧引」の演目について解説しています。
「苧引」 - 古典舞踊/女踊り
つなぎ節:歌詞 あたり苧やうみやりあたいをぅやうみやい はたいん布織やりはてんぬぬうやゐ 玉黄金里がたまぐがにさとぅが 御衣よすらねんしゅゆすぃらに 訳 屋敷のまわりの畑に ...
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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