工工四

【工工四について】
歌詞
坂本のいべや だんぢよ豊まれる
よよぎよらが一本 こばの三本
訳
坂本の拝所は道理で評判が良いわけだ。
よよぎよらが一本、クバが三本。(神聖な趣がある)
いべ
- 神を祀る場所
だんぢよ
- 本当に
- まことに
- いかにも
- 道理で
- なるほど
豊まれる
- 評判
- 有名
よよぎよら
※語句に諸説あり。
- ウシク(アコウの木)を指している説。
- ヤシ科クロツグ属の常緑樹、黒つぐ(方言名:マーニ)を指している説。
- ”よよ” = 節と節の間、”ぎよら” = 清らか の語句をつなげて「節と節の間が整っている」という解釈(説)がある。
こば
- ヤシ科の常緑樹、別名ビロウと呼ぶ。クバの木は空に向けてまっすぐ成長するので、神が天から召される木としてあがめ奉られている。
解説
「坂本節」は趣きのある神聖な拝所を礼賛した歌曲です。
『琉歌百控』(※1)には出自が”徳之嶋”と記されており、かつて徳之島が琉球王国に属していた時代に遡ります。
秋津集落の高台(現在の鹿児島県大島郡徳之島町亀徳)に殿地屋敷(琉球王国の派遣役人やノロ(祝女)の屋敷)が建てられ、斉部加那志(地神)を樹木の根に祀り、無病息災や豊作祈願の神事が執り行われていました。
その後、明治に入ると殿地屋敷があった場所に秋津神社が創建され今日に至りますが、当時、祀られていた斉部加那志(地神)は社屋後方に生えている樹木の根に残されていると伝えられています。(参考:徳之島町郷土資料館)
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
補足
斉部加那志
秋津神社は古くに地神として、斉部加那志をウシク(アコウの木)の根に祀って聖地としていました。斉部加那志は今日の社屋後方のウシク気根の中に残っていると云います。
中には三個の自然石が安置され、それぞれがご神体になっていて、中央に村の創世神、左にノロ神、右に農耕神が祀られており、春秋のお彼岸には集落の祭りが秋津神社で執り行われています。
参考:秋津神社案内板
古謡
秋津神社では旧暦八月十五日になると豊年祭りがおこなわれ、代々継承されてきた「秋津盛唄」という古謡が歌われますが、その歌詞は「坂本節」とほぼ同一の内容で詠われています。
また、秋津神社が建つこの地は代々、坂元姓の方が管理されているそうです。
秋津盛唄
さかむとぅぬいびや だんじゅとぅゆまたむ
ハレ ゆゆぎゅらがちゅーむとぅ くばやみむとぅ ヨンド
歌詞引用:<大観 奄美>『奄美島唄の系譜を探る方法』より
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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