工工四
歌詞
きけば仲里や 花のもとでもの
咲き出らば一枝 もたちたばうれ
訳
噂によると仲里は花の里であると聞きます。
花が咲き出たら、一枝持たせてください。
仲里
- 出自は諸説あり、伊是名島もしくは久米島にかつて存在した集落。または花街であった仲島(現:那覇市泉崎)の説がある。
たばうれ
- ~して下さい
解説
「仲里節」は季節を彩る花の名所として名高い仲里の景観を讃え、人々が心を寄せる美しい花を愛でて詠まれた歌曲です。
歌詞に出てくる”花”を”乙女”に準えて解釈する例もあり、沖縄芝居などでは男女が掛け合う打組踊り(※1)の演奏曲として振り付けられています。
「仲里節」の出自は伊是名島、または久米島、他諸説あり、いまだはっきりしたことは明らかになっていません。(※補足追記)
打組踊り(※1)
対照的な関係にある者(男女、美女醜女など)が組み合って踊る形式の演目。
補足
発祥の地
最古の琉歌集である『琉歌百控』(※2)には「仲里節」が収められており、出自には久米島仲里間切(現・久米島町宇江城)とあり、現地には本曲の歌碑が建てられています。
また、伊是名島にも「仲里節」の歌碑が建てられており、添えてある案内板には「1470年、尚円王が琉球国王に即位した時代に詠われたもので、歴史的には久米島、他諸説よりも古くから存在するものであると記されています。
『琉歌百控』(※2)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
略歴
■尚円王(1415-1476年)
伊是名島の百姓の家に生まれ、元の名を金丸という。
四百年続いた第二尚氏王統の初代国王。
当時の琉球王府に対する不満勢力がクーデターを起こして実権を奪い、新国王に金丸が迎えられ、尚円王として即位する(1469-1476年)
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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