工工四
歌詞
前之浜に 前之浜に 雪雨のふゆい
雪雨やあらぬ 雪の真米
訳
渡地の前の浜に(繰り返し = 強調)、雪雨(みぞれ)が降っていると思ったら、
それは雪雨(みぞれ)ではなく、雪のように真白いお米である。
雪雨
- 雨のような雪 = みぞれ
※1972年5月、沖縄の本土復帰を機に設置された沖縄気象台の観測開始以降、過去2回(1977年2月、2016年1月)みぞれが降った記録がある。
解説
「前之浜節」は真っ白いお米をたくさん積んだ船の賑わいに世の泰平を祝して詠まれた歌曲です。
本曲の節名は那覇港北岸に位置する那覇市通堂町に由来しています。
当時、この一帯は渡し舟や帆船が往来する風光明媚な場所で、陸から少し離れた場所に橋でつながる渡地と呼ばれる小さな島が浮かんでいました。
渡地は明治初年に埋め立てられ地続きになりましたが、対岸の垣花(現在の那覇軍港)へつづく渡船場の機能を果たし、その前方に広がる浜辺のことを「前の浜」と呼んでいました。
「前之浜節」の音数率は琉歌の八・八・八・六調とは異なり、早節型(不定型詞)と呼ばれる五・五・八・八・六調で詠まれています。
補足
那覇港
琉球王国は南海の地の利を生かし、那覇港を拠点に日本本土、中国をはじめとする諸外国との貿易で繁栄を築いてきました。
古典舞踊
古典舞踊のカテゴリーでは「前之浜節」が舞踊曲として演奏される「前の浜」について解説しています。
「前の浜」 - 古典舞踊/二才踊り
前之浜節:歌詞 ”エイエイえいえい” 前の浜にめぬはまに 前の浜にめぬはまに ちり飛びゆるちりとぅびゅる ”サさ” 浜千鳥はまちどぅり ”エイサえいさ” 友呼ぶ声はとぅむゆぶくいわ ちり ...
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参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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