工工四
歌詞
真福地のはいちやうや 嘉例なものさらめ
いきめぐりめぐり 元につきやさ
訳
真福地の盃は縁起の良いものである。
何度も何度もめぐりめぐってまた元に戻ってくる。
はいちやう
- 牛の角でできた酒盃
解説
「真福地のはいちやう節」は糸満市福地が発祥の地で、村の中心に位置する小公園には歌碑が建てられています。
糸満市は古くより漁業が盛んで、サバニと呼ばれる舟に乗って遠洋漁業を中心に海人の町として歴史を築いてきました。
福地では毎年旧暦8月に年中行事がおこなわれ、宴席では牛の角でつくられた盃で祝杯する習わしがあります。
牛の角でつくられた盃は先が尖っているので下に置くことができず、皆でまわし飲むうちにまた自分の元に戻ってくることになぞらえ、海に出た漁師が無事に戻ってくるよう航海安全の祈願が込められています。
補足
サバニ
かつては一本の木をまるごと刳りぬいた丸木舟のつくりでしたが、森林保護のために木の部材を張り合わせた接ぎ舟が製造されるようになります。
サバニは波を切って軽快に進むことから、南洋各地をはじめ遠方まで漁業範囲を広めていきました。
名前の由来は諸説ありますが、大きな鮫を指す”サバ”と”船”をあわせてサバニと呼ばれるようになったようです。
製造過程では鮫の油を船に塗って防水加工を施します。
ハイチョウの一鎖
本曲に加えて「本田名節」、「揚高禰久節」の三曲を組曲として、航海を祈願する祝儀曲として演奏されます。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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