工工四
歌詞
石の屏風立てて 七重八重内に
いつよまで舟浮 もたえさかえ
訳
石の屏風を立てたように幾重にも囲まれて、
いつの世までも船浮港は栄えている。
七重八重
- 幾重
舟浮
- 沖縄本島より約470kmに位置する西表島の南西部にある港エリア。
- 船浮ともいう
解説
「石之屏風節」は周辺の山々や小島に囲まれた船浮港の景観を賛美して詠まれた歌曲です。
西表島の南西部に位置する船浮地区は深く入り込んだ地形になっており、石の屏風を立てたように外側からの風を防ぐ役割を果たしています。
このように船の出入りに適した港の景観はいつの時代も栄えるものとして島の人々によって歌い継がれてきました。
補足
原歌
最古の琉歌集である『琉歌百控』(※1)には「石屏風節」の節名が収められており、出自には”八重山西表嶋(西表島)”と記されています。
また、本曲は西表島の教訓歌として知られる「デンサ節」を作詞作曲した宮良里賢(1721~1773年)が西表島の公職に就任していた時に創作されたものであると云われています。参考:『八重山民謡誌/喜舎場永珣』
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
石屏風節
石の屏風立てて 七重八重内に
船浮村いつゆ 弥勒世果報
訳
石の屏風を立てたように幾重にも囲まれて、
船浮村はいつの世までも繁栄している。
七重八重
- 幾重
弥勒世果報
- 弥勒様がもたらす穏やかで平和な世の中
- 幸福で実り豊かな世の中
- 泰平な世
- 豊年
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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