工工四
歌詞
ことし作たる米や すす玉のごと なよんさめ
はいの風おせば にしのあぶし枕
訳
今年に作った米はまるで数珠玉のようだ
南風が吹けば北の畔を枕にする
すす玉
- 数珠の玉
※数珠玉というイネ科の植物に由来している説もある。
はいの風
- 南風
にし
- 北の方角
あぶし枕
- 畦を枕にする
解説
「作タル米節」は南風に吹かれて波打つ稲穂の美しい田園風景に一年の豊作を祝して詠まれた歌曲です。
稲穂が数珠玉のように大きく稔り、田んぼの間に土を盛り上げてつくった畦に頭を垂らしている情景が描かれています。
沖縄では暖かい気候を活かして年に二回(二期作)お米の収穫がおこなわれ、品種によって異なりますが一期目は6月頃、二期目は11月頃に稲の刈り取りを迎えます。
補足
年中行事
古くより沖縄では農作物の生産と結びついた季節の変わり目に豊年祭をはじめとした年中行事が催されてきました。
旧暦の五月、六月(新暦6月~7月頃)は稲の大祭といって琉球王国制定の神祭日にあたり、盛大な祭りが代々おこなわれてきました。
現代に比べて農業技術が発達していなかった当時は国をあげて稲作の生育を見守ってきた歴史があり、そのような時代を生きた人々が願う豊作への喜びは一入であったことでしょう。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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