工工四
歌詞
1.
遊びそめなれて 立ち別るそらや
後とて引きゆさ 島の名残
2.
海やからに惚れて 夜の明けす知らぬ
いきやす親がなし 御返事しやべが
訳
1.
親しみ打ち解けてからお別れすることは、
後ろ髪を引かれる思いです.. 島の名残。
2.
海やからに恋慕い、夜が明けたことも知らずに(過ごしてしまい)、
親になんと返事をしましょうか。
海やから
- 漁に長けている者
- 海のつわもの
解説
「オミヤカラ節」は青年に恋慕う娘が束の間の逢瀬を名残惜しんで詠まれた歌曲です。
自由恋愛が適わなかった時代、親に隠れながら忍び逢った二人の時間はさぞかし一入であったことでしょう。
本曲は海人(漁師)の町として知られる糸満市真栄里が発祥の地で、囃子詞にもなっている「ドンドンガマ」の逸話(※補足参照)との関連があると云われています。
補足
逸話
糸満市真栄里に今も残る「ドンドンガマ」はかつて舟で漂着した青年がねぐらに利用していたとされる洞窟です。
青年は漁の腕前に長けており、捕獲した魚を集落にも分け与えていたことから次第に村人たちから信頼を得るようになり、いつしか美人で評判の村の娘と恋仲の間柄になりました。
それをおもしろくないと思った村の男たちが彼を亡き者にしようといろいろと悪だくみをしますが、青年は大変に身体が強かったのでことごとく村の男たちを打ち負かします。
一説によると、この一連のストーリーが「オミヤカラ節」の原作であると云われています。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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