工工四
歌詞
宇地泊まさご てだどまぎらしゆる
お月まぎらしゆる 浜のまさご
訳
宇地泊の白砂は太陽が照らしているかのように輝き、
月に見間違えるほど白砂が輝いている。
宇地泊
- 現在の宜野湾市宇地泊エリア
まさご
- 真砂子 = 白砂、細かい砂
てだ
- 太陽
まぎらしゆる
- 見間違う
- 目を疑う
解説
「宇地泊節」は宜野湾市宇地泊にかつて存在した白い砂浜を賛美した歌曲で、太陽や月に照らされて光り輝く美しい砂浜の景観を詠み込んでいます。
この一帯は公共事業の開発により全て埋め立てられましたが、地域の人々の声を受け、後世に語り継いでいくために琉歌の歌碑が建てられました。
また、白い砂は隣接する宜野湾市真志喜の海岸(トロピカルビーチ)に運搬され、現在もその美しい光景を見ることが出来ます。
補足
組踊
組踊(※1)の演目「孝行の巻」では、貧しい家柄の姉弟が登場する場面で「宇地泊節」が歌詞を替えて演奏されます。
組踊(※1)
琉球王国時代の1719年に踊奉行(式典の際に舞台を指揮、指導する役職)の任命を受けた玉城朝薫により創始された歌舞劇です。
台詞、舞踊、音楽の三つの要素から構成された古典芸能で、1972年に国の重要無形文化財に指定され、2010年には世界のユネスコ無形文化遺産に登録されました。
略歴
■玉城朝薫(1684年-1734年)
首里儀保村に生まれる。
琉球王国の官僚で冊封式典の踊奉行を務める。国劇である組踊の創始者であり、多くの芸術作品を生み出す。
「二童敵討」、「執心鐘入」、「銘苅子」、「孝行の巻」、「女物狂」を朝薫五番と称す。
宇地泊節
朝夕うきくれしや 思姉とわ身や
ゆめの間のうきよ くらすかねて
訳
朝夕苦しい思いをしている姉と私は、
夢の間のはかない人生を暮らしかねている。
うきくれしや
- 憂き苦しや = 苦しい思い
※憂き = 心悩ますこと
くらすかねて
- 暮らしかねている
- 暮らすことが出来ないでいる
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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