工工四
歌詞
小浜てる島や 果報の島やれば
大岳はこしやて 白浜前なち
訳
小浜という島は果報の島である
大岳を背に(後ろに)、白浜を前にして
小浜
- 小浜島 = 沖縄本島より南西約400km離れた八重山諸島のほぼ真ん中に位置する周囲約16.5kmの島。
果報
- 幸運
- 良いこと
大岳
- 標高約99mの小高い山。島では一番高い山で頂上の展望台からは島全景を見晴らすことができる。
こしやて
- 後方
白浜
- 白い砂浜(地名ではない)
解説
「小浜節」は島を囲むように連なる白い砂浜と島の象徴として名高い大岳の景観を賛美して詠まれた歌曲です。
小浜島では毎年旧暦八月になると五穀豊穣、無病息災を祈願する結願祭がおこなわれ、奉納芸能の舞台では「小浜節」の原歌となる古謡が代々歌い継がれてきました。
現地の言葉では「小浜節」と呼び、かつて小浜島を管轄していた琉球王府の役人が琉歌調に改編して作られたものと云われています。参考:『八重山民謡誌/喜舎場永珣』
補足
歌碑
小浜島で一番高い大岳の頂上には本曲の原歌となる「小浜節」の歌碑が建てられており、展望台から見晴らす小浜島の豊かな自然を賛美し、豊穣・豊作の祈りを込めて詠われています。
また、最古の琉歌集である『琉歌百控』(※1)には「小浜節」が収められており、八重山小浜嶋(現・小浜島)の出自が記されています。
尚、三線楽譜によっては本曲(ニ揚調)の節回しを本調子(基本の調子)に調弦して演奏する場合があります。
『琉歌百控』(※1)
上編「乾柔節流」、中編「独節流」、下編「覧節流」の三部(全601首)からなり、1795年~1802年にかけて編纂された最も古い琉歌集です。
参考文献一覧
書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において参考にさせて頂いた全ての文献をご紹介します。 尚、引用した文章、一部特有の歴史的見解に関しては各解説ページの文末に該 ...
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