舞踊

「かぎやで風」 - 古典舞踊/老人踊り

2019年6月6日

かぎやで風節かじゃでぃふうぶし:歌詞

 

今日の誇らしややきゆぬふくらしゃや 何にぎやな譬てるなうにじゃなたてぃる

莟で居る花のつぃぶでぃをるはなぬ 露行逢た如つぃゆちゃたぐとぅ

 

今日の喜びは何にたとえることができましょう。

それはまるで花のつぼみが朝露をうけて、パッと花開くような心のようです。

 

かぎやで風の舞踊写真

-琉球古典舞踊 老人踊り「かぎやで風」-

 

かぎやで風かじゃでぃふう」:解説

 

あらまし

お祝いなど喜びの場、座開き(はじまり)に踊られる祝儀舞踊しゅうぎぶようです。

かぎやで風かじゃでぃふう」は琉球舞踊の基本の形や技法が集約されており、人生の喜び、祝福をことほぎながら踊っていきます。

長寿ちょうじゅ子孫繁栄しそんはんえい五穀豊穣ごこくほうじょうを願う老人踊りとして受け継がれてきました。

 

みどころ

荘重そうちょうな音色と共に威風漂いふうただよう歩みで登場し、演目全体を通してみる洗練せんれんされた一連の所作しょさに、先師先人せんしせんじんの品位と気魄きはくが感じられます。

おきなの姿は、金入緞子丸頭巾きんいりどんすまるずきん(リンファーモー)をかぶり、白の口ひげやあごひげをつけ、緞子どんす衣装に広帯をしめ、白足袋をはき、手に扇を持っておごそかに踊ります。

おうなが加わる場合は、白髪を髪結からじゆいするか、または後ろに垂らし、緞子どんす衣装をうちかけ、白足袋をはき、手に団扇うちわを持って気品高く踊ります。

基本は、おきなおうなの二人で演じられますが、演出にはいくつかの踊りの体系がみられます。

 

  • おきなおうなが子や孫を引き連れて登場する型
  • おきなおうなのみが踊る型
  • 一人で踊る型
  • 複数の若者が正装して踊る型
  • 若い夫婦が仲睦まじく喜びを表現し、踊る型

 

唐団扇

唐団扇

 

補足

 

かぎやで風かじゃでぃふう」の歴史

かぎやで風かじゃでぃふう」は、琉球王府の国王の御前で演じられたことから別名「御前風ぐじんふう」と呼ばれています。

尚敬王しょうけいおうの時代(1719年)におこなわれた冊封さっぽう式典において、国王の御前で演じられた記録『中山傳信録』があり、古くは演目を披露する前に国を賛美する前口上(老人申上候意趣)が存在していました。

琉球国由来記(1713年)では、「舞ハ、コネリト云フ。遊鼓ヲ打ツ也」と記述されており、「かぎやで風かじゃでぃふう」の踊りは古代から伝わる祭祀舞踊さいしぶようの儀礼の象徴である「神舞い」の形をうかがうことができます。

 

※略歴

尚敬王しょうけいおう(1700-1752)
第二尚氏王統しょうしおうとうの第13代国王。
教育と文化振興に力を入れ、琉球王国を文化大国へ導いた名君めいくんで、現代に伝承でんしょうされる芸能文化の多くがこの時代に生み出される。
1719年には台詞せりふ、舞踊、音楽の三つの要素から構成された組踊(国の重要無形文化財、世界のユネスコ無形文化遺産)が誕生。

 

かぎやで風節かじゃでぃふうぶし」は、古典音楽のページでも別途、詳しく説明しています。下記リンクからご参照ください。

 

かぎやで風節の工工四
「かぎやで風節」- 古典音楽

かぎやで風節かぢゃでぃふうぶし:工工四   画像クリック→保存印刷できます。   歌詞   今日の誇らしややきゆぬふくらしゃや 何にぎやな譬てるなうにじゃなたてぃる 莟で ...

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編集後記

 

つなぐ祈り

連綿たる命の炎を燃やし継承されてきたいにしえの舞い。

荘重な響きにより舞台空間に魂が吹きこまれ、威風のある舞いは先人たちの切実な祈りが込められています。

 


 

参考文献(本)のイメージ画像
参考文献:一覧

書籍/写真/記録資料/データベース 当サイト「沖縄伝統芸能の魂 - マブイ」において、参考にした全ての文献をご紹介します。     1.『定本 琉球国由来記』 著者:外間 守善、波 ...

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  • この記事を書いた人

マブイ

ニライカナイから遊びにやってきた精霊。
伝統芸能の継承と発展を見守りつづけています。

好きな食べ物:苔
好きな飲み物:葉先のしずく

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